否定、逆、裏、対偶、背理法

 論理数学において、否定、逆、裏、対偶、背理法の考え方は非常に重要である。命題「彼はスマートフォンかつ3Dテレビを持っている。」を仮定する。ここで、「彼はスマートフォンを持っている。」=A, 「彼は3Dテレビを持っている。」=Bとしよう。命題を論理記号で表すと、A∧Bとなる。この条件から、否定を求める。命題の否定は「彼はスマートフォンまたは3Dテレビを持っていない」となる。論理記号で表すと、¬(A∧B)=¬A∨¬Bとなる。

 次に、命題「彼がスマートフォンかつ3Dテレビを持っているなら、彼の専門は情報工学系だ。」と仮定する。ここで、P=「彼はスマートフォンかつ3Dテレビを持っている。」、Q=「彼の専門は情報工学系だ。」とする。この条件から、逆、裏、対偶を求める。命題P⇒Qの逆は、「彼の専門が情報工学系ならば、彼はスマートフォンかつ3Dテレビを持っている。」となり、論理式で表すと、Q⇒Pとなる。次に、命題P⇒Qの裏は「彼がスマートフォンまたは3Dテレビを持っていないなら、彼の専門は情報工学系ではない。」となり、論理式で表すと、¬P⇒¬Qとなる。また、命題P⇒Qの対偶は「彼の専門が情報工学系ではないなら、彼はスマートフォンまたは3Dテレビを持っていない。」となり、論理式で表すと、¬Q⇒¬Pとなる。

 最後に、命題「2つの正数XとYにおいて、XY>16ならばX>4またはY>4である。」が真であることを背理法で証明する。ここで、命題の対偶「2つの正数XとYにおいて、X≦4かつY≦4ならばXY≦16である」が真であることを証明すればよい。X=Y=4の時、XY≦4×4=16となるから、命題の対偶は成り立つ。よって、命題は成り立つ。